世界遺産「モナルカ蝶生物圏保護区」 …メキシコの田舎旅

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Days 1
1日目

スポット1

エル・ロサリオ「モナルカ蝶の聖地」

メキシコ

都市アンガンゲオ、ミチョアカン州

おことわり: 本レポートは過去10回程行ってる中で、蝶が最も飛んでいた2019年1月中旬の内容(コロナ前)となります。ご了承下さい。

サンタフェの高層ビル群を横目に一路西へ。ミチョアカン州への旅が始まる。今回グアダラハラ在住の知人がメキシコシティへ遊びにきた機会に、私を魅了してやまないミチョアカン州の魅力を伝えるべく、年末年始をイレギュラーな業務に費やした代休を利用しての小旅行である。

ラ・マルケサを過ぎ、国道15D号線の峠を下りはじめると、晴れ渡る青空の下、幾分スモッグに霞んだトルーカ市街の向こうに、冠雪したメキシコ第4の高峰シナンテカトル(ネバド・デ・トルーカ)が、威圧的な存在感を伴う威容を見せる。

メキシコは火山国であり、3000メートルを超える火山だけでも20以上点在する中、4680メートルの山頂付近まで車で行くことが出来るネバド・デ・トルーカは、トレッキング愛好家の為だけでなく、比較的身近な山歩きスポットと言えるだろう。

国道6D号線からバジェ・デ・ブラボ方面7Dとアトラコムルコ方面55Dへの分岐を直進し7D号線へ。
秋などは周囲にコスモスの群生が見られる一本道をシタクアロ目指してひた走る。やがてメキシコ州が終わり、シタクアロの町を抜ける。時間が許せば途中のサン・フェリペ・ロス・アルサティ遺跡に立ち寄りたかったが、猫の餌を買う為に町を出るのが遅くなったこともあり、後ろ髪を引かれながら遺跡見学は諦め、オカンポの町を目指して北上。大昔に元上司S氏と2人で行ったサン・フェリペ遺跡。当時は入場料もなく、訪問者も管理人すらいない中、適当にピラミッドに登って、適当に帰ってきてしまったのが悔やまれるが、私は猫の世話だけは面倒臭がらないのだ。

登りが続く一般道を20分程走るとモナルカ蝶聖地の1つ「エル・ロサリオ」へのゲートウェーであるオカンポの町に至る。心もとない標識に従って針葉樹に覆われた薄暗い山道に入って行くと、山小屋風の簡素な料金所で爺さんに50ペソの通行料(管理費?)を徴収された。正規の施設には見えないのだが、道が間違っていないことが確認出来た安堵感から素直に支払ってしまう。

木漏れ日の中の軽快なドライブが終わりエル・ロサリオの駐車場に到着。メキシコシティを出てから調度3時間(途中1度GSでトイレ休憩)。駐車場から土産店や簡易食堂の並ぶ坂道を登ってエントランスへ向かうのだが、既に頭上には多くの蝶が舞っている。

スポット2

エル・ロサリオ「モナルカ蝶の聖地」

メキシコ

都市アンガンゲオ、ミチョアカン州

2008年に世界自然遺産登録の「オオカバマダラ(=モナルカ蝶の和名)生物圏保護区」の1つであるエル・ロサリオへは過去に何度か来ているが、今回ほど山の低い地域で多くの蝶が飛び交う光景を目にしたことはなかった。保護区入場料(大人50ペソ)を支払うと、地元ガイドのシルバーノ氏と一緒に歩くよう案内される。平日なのでガイドも暇だろうし、私自身も時折お客様に説明する機会があるので、地元ガイドの同行は渡りに船だった。

シルバーノ氏曰く「今年は馬は要らない。蝶は近くにいっぱい飛んでるから」とのこと。山歩きが億劫な私は半信半疑で、登りの片道だけ馬を使うことにして、蝶が集まっている「聖地」でシルバーノ氏と合流することにしたが、これはガイドさんが正しかった。

馬でも徒歩でも15~20分程のところに多くの蝶が暖かい午後の陽光と雲ひとつない青空の下を無数に乱舞している。時期の割に日中は温暖な日が続いていると、夜の寒気の厳しさから蝶は山の低い場所に下りてきているのが要因らしい。遊歩道になっている部分もお構いなしに蝶は飛び交い、地面や手摺がわりのロープを占拠して多くの蝶がのんびり羽を休めていたり、周囲の樅の木の緑の葉色がオレンジ色の塊にしか見えないほど密集して止まっていたりしているのだった。

以前に世界中でご自身の指に蝶を止まらせての撮影をしているお客様をエル・ロサリオへお連れした際には、蝶の多さは同じでも、今回のように至近距離に蝶がたくさんいる訳ではなく、お客様は蝶を指に乗せる為に持参の樹液を使ったり、ご苦労の末に素晴らしい写真撮影に成功していたのを思い出すが、今年はそんな苦労は一切不要。指に蝶を止まらせることなど楽勝。蝶との距離が格段に近い。出来ればシーズン半ば1~2月の気温の高い時間帯(午後1頃)に見学するのがお薦めだ。

スポット3

エル・ロサリオ「モナルカ蝶の聖地」

メキシコ

都市アンガンゲオ、ミチョアカン州

シルバーノ氏が話すモナルカ蝶は遠くカナダや北米の森林地帯から最長4000キロの旅を経て渡来してくること。カナダへは4世代かけて戻るのに5世代目の蝶だけが7ヶ月(人間の年齢に置き換えると200歳以上の寿命)も生き、1世代でメキシコへ南下するという不思議なサイクル。モナルカ蝶が好む唐綿の蜜に含まれる毒素(アルカロイド)が天敵である鳥の攻撃から身を守ることなど、何時も私がお客様にする説明とある意味同じ内容の解説を聞きながら歩く。

年々減少傾向と言われるが、約6億頭もの蝶が渡ってくるという。これからもこの不思議な蝶の生態の研究は続くだろうが、あの小さな体の中の遺伝子に組み込まれた帰巣本能や渡りの習性が解明される日が来るのだろうか…太古から続くモナルカ蝶の旅に思いを馳せる。

同行者も大満足で「モナルカ蝶聖地」見学を終え、麓で遅めの昼食を摂りエル・ロサリオを後にし、宿泊地であるロス・アスフレス温泉を目指しハンドルを握る私の車上に、未だ数頭の蝶がヒラヒラと舞っていた。

大勢で迎えてくれた蝶たち、シルバーノ氏、ミチョアカンの大自然に感謝。

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コメント

  1. apple

    こんにちは。
    来週末にモルナカ蝶を見に行こうと思っているのですが、
    どこに宿泊したか教えていただけないでしょうか。
    二泊3日で1日目はセルビン焼きの工房に行こうかと思っています。

  2. mc33 (まつえだ)

    お問合せありがとうございます。私はメキシコシティ在住なので、モナルカ蝶生息地は日帰りで行くことが多いですが、過去に宿泊して観に行った際は、アンガンゲオという町に泊まりました。この時期は夜間は尋常じゃない寒さでしたが、満天の星空も尋常じゃなく印象的です。セルビン工房に行ってからの移動でしたら、アンガンゲオまでは車で1時間半~2時間かかります。他の候補地としてトラルプハウア(セルビン工房から1時間弱)もありますが、アンガンゲオ、トラルプハウアともプエブロ・マヒコに指定される観光地の割に、ホテル数だけでなく夕食に適した場所が非常に少ないのが難点です。ホテルの選択肢はトラルプハウアの方が多く、アンガンゲオより美しい教会があり、最近まではエスフェラ(クリスマスの飾り)祭りも開催していました。https://www.facebook.com/tlalpujahuamichoacan

    別の年はセルビン工房から1時間~1時間半のロス・アスフレス温泉に宿泊したこともありますが、ここからモナルカ蝶保護区まで約2時間かかります。前提としてモナルカ蝶の見学は正午過ぎが適しています(朝方は寒いので蝶が舞いません)ので、余り近くに泊まっている必要はありませんので、いっそのことモレリア(行ったことがなければですが・・・)の世界遺産地区に泊まるのもありです。ここいらまではミチョアカン州といっても危険なことはありませんし、夕方に着いてセントロに宿泊し、夜の散策も食事も選択肢がありますし、翌朝9時過ぎにエル・ロサリオ等を目指せば調度いい時間帯にモナルカ蝶保護区に着きます。

    候補地としては、1.トラルプハウア 2.モレリア世界遺産地区 3.ロス・アスフレス温泉 4.アンガンゲオという感じでお薦め致します。

    私はビアヘス東洋という旅行会社勤務の松枝と申します。ご旅行に関する心配なことや訊いておきたいことがありましたら、eメール vtm_mex@yahoo.co.jp まで遠慮なくご連絡下さい。弊社の旅行商品を販売したい意図はなく、純粋に情報提供させて戴きます。世界でここだけでしか見ることが出来ないモナルカ蝶を見てきて戴きたいです。